秋田このはな会練習会レポート

秋田このはな会での競技かるたの練習や大会などでの活動についてレポートをしています。

かるたの競技方法について

まず、競技かるたは、相手と1対1で行う競技です。
小倉百人一首の取札を用いますが、取札には短歌における「五・七・五・七・七」のうち終わりの「七・七」の部分(下の句という)しか書かれていません。
しかし、読み上げるのは、最初の「五・七・五」の部分(上の句という)だけです。

つまり簡単に言うと「上の句を聞いて該当する下の句が書かれた札を取る」ということになります。

一般的なかるた遊び(ちらし取りなど)では「一番多く札を取った人の勝ち」ですが、競技かるたの場合は少し違います。お互いに使う札(持札)を「自陣」に並べ、「自陣にある札を先に0枚にした方が勝ち」ということになります。

では、ここからは試合の流れを交えながらご説明しましょう。


1.まずは対戦相手に「お願いします」と挨拶をする


2.相手と一緒に、札を裏返しにしたまま混ぜる


3.札を裏返したままで必要な枚数を取る

※5枚ずつの束にするとカウント間違いしにくいです。


4.取った札を裏返したまま3枚縦に並べて、上中下段のラインを決めます。

お互いの陣は「上段・中段・下段」の三段の範囲内に札を並べるのが決まりです。

このラインに合わせて、手元にある残りの札を表に向けて並べていきます。


5.ラインを取るために並べていた3枚の札も表に向けて、自陣に配置していきます。

配置し終わった状態。

※三分の百首では、このような枚数になっています。
百首での対戦の時は、自陣敵陣それぞれ25枚ずつ並べることになります。

全体が配置し終わる頃に「暗記時間」が取られます。
暗記時間の間に、場にある札を頑張って覚えましょう。

また、暗記時間の間は席を離れることもできます。
席を離れる際は「失礼します」と頭を下げてから場を離れます。
場に戻ってきたら「失礼しました」と一礼して席につきましょう。

なお、暗記時間といえど競技中です。
立て膝や足の投げ出しなどの姿勢はやめ、正座もしくはそれに準じた姿勢で座り、相手に失礼のないようにしましょう。


【競技線について】

自陣と敵陣には範囲が決められており、その範囲を「競技線」と呼びます。

競技線の横幅は87cm。畳の幅とほぼ同等になります。

また、札を並べる時の間隔も決まっています。

自陣と敵陣の間は3?(畳の目3つ分が目安)、上段と中段・中段と下段の間は1?ずつの間(畳の目1つ分が目安)を空けて札を配置します。


6.試合開始の2分前に一度コールされます。
開始2分前コールが入ったら、素振りなどをすることができます。
(それまでは競技線内に手を入れる行為はしない)


7.時間開始の合図があったら、対戦相手に「お願いします」と一礼した後、読手にも「お願いします」と一礼します。初めに、百人一首の中に入っていない歌が一首詠まれます。これを「序歌」といいます。競技かるたで一般的に歌われる「序歌」は

難波津に咲くやこの花冬ごもり
今を春べと咲くやこの花

という歌の場合がほとんどです。
「序歌」に関してのみ、下の句が2回詠まれます。
2回目の下の句が詠まれたら、試合開始の合図です。


上の句だけが詠まれるので、該当する札を相手より早く取り合います。

先に札に触った方の取りです。

このようにどんどん取っていき、自陣の枚数を減らしていきます。


もし詠まれた札が敵陣にあって、それを取った場合・・・

敵陣が1枚減ってしまったので、その分、自分の陣から1枚、札を送ることができます。

なお、送る時や、相手が乱れた場の札を並べている時は、手を挙げて試合の進行を待ってもらいます。手を挙げる場合は、並べている本人ではなく、相手の人が手を挙げてあげてください。相手が並べ終わったら手をおろします。


取った札は、自分の利き手と反対側の横に、札を伏せた状態で重ねて置いておきます。


上の句が詠まれ、取って、場が落ち着いたら下の句が詠まれます。
下の句は、次の歌に入る合図です。
詠まれ始めたら、手は競技線の外で畳に手を付けた状態で静止して構えていなければなりません。


【お手つきについて】
競技かるたの場合「詠まれた札(出札という)が無い方の陣で何かの札に触ってしまった場合」に「お手つき」となり、相手から1枚札が送られるペナルティがあります。

出札がある方の陣であれば、ほかの札に触ってもお手つきにはなりません。
それぞれの陣の中に、出札があるかどうかでお手つきかどうかが決まります。


8.このように競技を進め、先に自陣を0枚にしたら試合終了です。
勝敗が決したら、その場ですぐ相手に「ありがとうございました」と一礼し、読手にも「ありがとうございました」と一礼します。

勝敗が決したときは、払った札を取りに行く前にまずはこの挨拶を先にします。挨拶が終わったら札を取りに行きましょう。また、敵陣から取って勝敗が決したときは、自陣にある札を必ず相手陣にきちんと送って自陣を0枚の状態にしてから挨拶をしてください。

※大会などでは、試合に審判がつく場合があります。
審判がついたときは、その時に審判に「お願いします」と一礼します。
勝敗が決したら、対戦相手に「ありがとうございました」をした後、審判に「ありがとうございました」、その後で読手に「ありがとうございました」と礼をします(つまり、近い相手から順に挨拶をしていくということになります)


9.試合終了後、相手との枚数差を確認します。
何枚差で勝ち負けが決まったか確認したら、お互いに持っている札の枚数を数え、試合開始時の枚数がきちんとあるかどうか数えます。最初と同じで、5枚ずつ束にすると数えやすいです。


10.札の枚数がきちんとあることを確認したら札をまとめ、一度真ん中に札を置いたうえで、再び、対戦相手とお互いに「ありがとうございました」と礼をして席を離れます。席を離れる際は、ほかの対戦者の邪魔にならないようにしましょう。使った札は、特に指示がない限り、勝った人が受付に返却しに行き、何枚差で勝ったかの報告をします。



以上が、競技かるたの試合の大まかな流れです。
競技中に不明な点がある場合は、近くにいる競技委員などに尋ねるようにしてください。